下唇と舌の神経マヒの治療について
〜ムラヤマ歯科の最近の取り組み〜

前回のブログでは院長の専門分野である、自家歯牙移植の話をしました。
今回は副院長の専門分野である、下唇の神経(下歯槽神経)と舌の神経(舌神経)のお話をします。

これらは、親知らず抜歯、インプラント手術、だけでなく一般的な歯科治療でも神経を傷つける事があります。
下歯槽神経マヒは下唇からアゴ先、口角までの範囲の皮膚の感覚障害(無感覚やピリピリとした痺れ)。
舌神経マヒは舌の感覚障害と味覚消失になります。

このような神経マヒの一般的な対応はメチコバールというビタミン製剤などの投与ですが、この対応は軽症な場合しか適応ではありません。
神経が切れているような重傷な場合は、早期(出来れば3ヶ月以内)に適切な治療をしなければ、良好な感覚回復ができないだけでなく、「触るだけでヒリヒリ痛い」「常にジンジンを痛む」といった神経痛の症状が出現し後遺することもあります。

私が臨床講師として所属している東京歯科大学の神経修復外来では軽症に対しては薬や星状神経節ブロックという治療を行いますが、神経断裂が考えられる場合は全身麻酔下で神経を縫合するなど神経修復する手術を行っています。

神経損傷の治療で重要なことは早期に正確な診断を行い、適切な治療を行う事です。しかし歯科における神経損傷の知見は世界的にもまだ浅く、十分な対応ができる施設が少ないのが現状です。
最近では当院のインスタグラムなどSNSを通じて全国各地から御相談いただいております。また地方の場合は近隣のクリニックと連携し、オンラインでの診療を行うなど、遠方の方でも対応できるように環境を整えております。
お悩みの方がいらっしゃいましたら、ご連絡いただければ幸いです。

副院長 村山雅人