インプラント治療のトレンド

インプラント治療は、周囲の歯に負担を掛けないことや削らないこと、さらに長期的な安定を見込める事などから、現在最良の治療方法であると考えています。

実はその歴史は紀元2世紀から3世紀の古代ローマ時代人にも鉄製のインプラントが発見されており、すでにインプラント治療が試みられていたことや7世紀のマヤ文明の遺跡遺跡からは歯の移植や貝でできたインプラント治療の痕跡があり、歯石もついている事から長期間、口の中で機能していたと考えられています(写真1)。

現在の主流であるチタン製のインプラントが世の中に広まったのは 1952年スウェーデンの整形外科医、ペル・イングヴァール・ブローネマルク教授が「チタンが骨と結合する」ことを研究中に偶然発見した事がきっかけでした。
それから口腔のインプラントだけでなく、人工関節や骨折の手術で使用するプレートやスクリューもチタン製となり広く臨床応用されるようになりました。
さてインプラントロジーは黎明期、過渡期を経て、現在は成熟期を向かえていると考えていますが、この分野も時代の潮流や技術の進歩によりトレンドがありました。
そして現在の主たるトレンドは、「患者さんにいかに負担なく安全に長期間安定したインプラント治療を施せるか」です。
例えばインプラントを埋めたい部分に骨が足りない場合、数年前であれば、大変な骨造成手術や他部分から骨を移植する手術が必要でした。また骨造成後は骨が安定するまで半年から1年間程待たなくてはいけませんでいした。
したがって、1本のインプラントに被せ物が装着され噛めるようになるまで、1年半から2年間かかる事もあり、その間、手術を数回必要とする事もあったのです。

しかし最近ではCTスキャンや3Dモデルなどデジタル技術による正確な術前診査、再生医療の発展やインプラント体(図1)の改良によって、必要最小限の「骨造成」「治療期間」「手術回数」でインプラント治療が可能になりました。

以前と比較しても術後の腫れや痛みも少なくり、以前なら2年近くを要した大がかりな治療も1年以内で完結できるような事も可能になってきました。
インプラント治療が患者様にとって、安心して負担の少ないように受けていただけるようにムラヤマ歯科は日々、国内外の情報を取り入れアップデートしています。
また技術や設備だけでなく、患者様に寄り添う気持ちを大切にし、心から安心できるような診療を心がけています。どうぞお気軽にご相談ください。

副院長 村山雅人